2024年7月8日月曜日

原始仏教 古舘伊知郎

 原始仏教について語る古舘伊知郎さんの動画が面白そうなのでその動画を紹介します。


動画の入りは四法印についてからはじまり、

順に解説したとおっしゃっています。


ただこの動画は知識0で見るとよくわからないと思うので、

事前の知識ありでみることを推奨したいです。

動画を視聴する前に事前の説明文に軽く目を通し、

プレイボタンを教えてみて下さい。


四法印

「四法印」(しほういん)は、仏教の基本的な四つの教えであり、仏教の根本的な真理を示しています。諸行無常と諸法無我もこの中に含まれています。

  1. 諸行無常(しょぎょうむじょう): すべての現象は変化し続ける。
  2. 諸法無我(しょほうむが): すべての存在は自己という固定的なものを持たない。
  3. 一切皆苦(いっさいかいく): この世のすべての現象には苦しみが伴う。これには、人生の四苦(生・老・病・死)や八苦が含まれます。
  4. 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう): 苦しみから解放された状態、つまり悟り(涅槃)は静寂で安らかなものである。


1諸行無常

「諸行無常」(しょぎょうむじょう)は、仏教の基本的な教えの一つであり、全ての現象が変化し続けることを指します。原始仏教では、この概念は仏教の根本的な理解を形成するものとして非常に重要視されています。

諸行無常の意味

  • 諸行(しょぎょう): 「諸」は「すべての」、「行」は「動く、進む、変わる」という意味です。したがって、「諸行」はこの世のすべての事物や現象を指します。
  • 無常(むじょう): 「無常」は「常ではない」という意味です。すなわち、変わらないものは何もなく、すべては常に変化し続けるということです。

原始仏教における諸行無常

原始仏教では、ブッダ(釈迦)が悟った真理の一つとして「諸行無常」が説かれています。この教えは、以下のようなポイントを含んでいます。

  1. 変化の必然性:

    • すべてのものは生起し、存在し、そして消滅する。これが自然の摂理であり、避けることはできません。
    • 物質的なものだけでなく、感情や考え、関係性など、すべての現象がこれに当てはまります。
  2. 執着の克服:

    • 人々はしばしば、永続的な幸福や安定を求めて物事に執着します。しかし、諸行無常の理解によって、すべてのものが変わる運命にあることを知ると、その執着は意味を失います。
    • 執着から解放されることにより、苦しみの原因を取り除くことができます。
  3. 覚醒への道:

    • 諸行無常の真理を深く理解することは、悟り(ニルヴァーナ)に至る道の一部です。
    • これにより、心の安定と平和を得ることができます。

具体例

  • 自然の変化: 季節の移り変わり、植物の成長と枯れなど、自然界のあらゆる現象が無常の例です。
  • 人間の人生: 人の誕生、成長、老化、死も無常の一部です。感情や健康状態も日々変化します。

原始仏教の教えとしての「諸行無常」は、すべての存在と現象が永遠ではないという深い洞察をもたらし、これを理解することで執着から解放され、心の平和と悟りを追求する道を示しています。




2諸法無我

「諸法無我」(しょほうむが)は、仏教の基本的な教えの一つであり、すべての存在や現象(諸法)が「我」(アートマン、すなわち固定的な自己)を持たないことを意味します。この教えもまた、原始仏教において非常に重要な概念です。

諸法無我の意味

  • 諸法(しょほう): 「諸行」と似ていますが、ここでは特にすべての存在や現象を指します。
  • 無我(むが): 「我」が存在しないこと、つまり自己という固定的・永続的な存在はないという意味です。

原始仏教における諸法無我

原始仏教では、「諸法無我」の教えは以下のような理解を含みます。

  1. 自己の否定:

    • 人々が一般に信じる「自己」や「魂」といった固定的な存在は、実際には存在しないと説かれます。
    • 自分という存在は、五蘊(ごうん、物質、感覚、知覚、心の形成作用、意識)の集合体に過ぎず、それ自体が固定的なものではありません。
  2. 相互依存:

    • すべての存在や現象は相互に依存し合い、独立して存在するものは何もありません。これを「縁起(えんぎ)」の法則といいます。
    • ある事象が他の事象に依存して存在しているため、独立した「我」というものは存在し得ません。
  3. 執着の解放:

    • 固定的な「我」が存在しないことを理解すると、自己への執着や他者との対立から解放されます。
    • これにより、苦しみの原因を取り除くことができ、悟りへの道が開かれます。

具体例

  • 身体と心: 身体や心の働きは絶えず変化し、固定された「私」というものはありません。身体は細胞の集まりであり、心は思考や感情の流れに過ぎません。
  • 所有物: 所有物に対する執着も「我」に関連していますが、所有物自体も変化し続け、永続的なものではありません。

実践と悟り

「諸法無我」の理解は仏教修行において重要であり、以下のような実践に繋がります。

  • 瞑想: 自己の本質を探求し、無我の真理を体験的に理解するための瞑想が行われます。
  • 倫理的行動: 他者との対立や自己中心的な行動を避け、すべての存在が相互に依存していることを認識した倫理的な行動が促されます。

かんたんなまとめ

「諸法無我」の教えは、固定的な自己が存在しないという深い洞察を提供し、これを理解することで、執着や苦しみから解放され、真の自由と悟りに至る道を示しています。この理解は、仏教徒にとって心の安定と平和をもたらす重要な要素です。








四聖諦(四つの聖なる真理)

四聖諦(ししょうたい)は、仏教の基本的な教義の一つであり、ブッダ(釈迦)が悟りを開いた際に見出した四つの真理を指します。これらは、苦しみの存在、その原因、苦しみの終わり、そしてその終わりに至る道についての教えです。四聖諦は仏教の理解と実践の核心に位置しています。

四聖諦の内容

  1. 苦諦(くたい): 苦しみの真理

    • 人生には避けられない苦しみが存在するという事実です。これには、以下の四苦八苦が含まれます。
      • 四苦: 生、老、病、死の四つの基本的な苦しみ。
      • 八苦: 上記の四苦に加えて、愛別離苦(愛するものと別れる苦しみ)、怨憎会苦(嫌いなものに会う苦しみ)、求不得苦(欲しいものが手に入らない苦しみ)、五蘊盛苦(心身の苦しみ)を指します。
    • 苦諦は、人生のあらゆる側面における不満や苦痛の存在を認識することを求めます。
  2. 集諦(じったい): 苦しみの原因の真理

    • 苦しみの原因は、欲望や執着、無知(煩悩)にあるとされます。これらの煩悩が心を乱し、苦しみを引き起こします。
    • 特に、無知(アヴィッジャー)に基づく渇愛(タナー)が、苦しみの根本的な原因とされています。
  3. 滅諦(めったい): 苦しみの終わりの真理

    • 煩悩の消滅、すなわち欲望や執着から解放されることにより、苦しみは終わります。これが涅槃(ニルヴァーナ)の状態です。
    • 涅槃は、完全な平安と悟りの状態を意味し、輪廻の苦しみからの解放を象徴します。
  4. 道諦(どうたい): 苦しみの終わりに至る道の真理

    • 苦しみを終わらせるための具体的な道を示しています。これが八正道です。
    • 八正道は、正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八つの実践項目からなり、道徳的行動、精神的訓練、知恵の三つの要素を含みます。

八正道(はっしょうどう)の詳細

  1. 正見(しょうけん): 正しい見解

    • 四聖諦など仏教の教えを正しく理解すること。
  2. 正思(しょうし): 正しい意志

    • 善意や非暴力の心を持ち、悪意や有害な意志を避けること。
  3. 正語(しょうご): 正しい言葉

    • 嘘をつかず、悪口や中傷、無駄な言葉を避け、真実で親切な言葉を使うこと。
  4. 正業(しょうごう): 正しい行動

    • 不殺生、不偸盗、不邪淫などの戒律を守り、倫理的な行動をとること。
  5. 正命(しょうみょう): 正しい生活

    • 正しい職業や生活の手段を選び、他者に害を与えない生活をすること。
  6. 正精進(しょうしょうじん): 正しい努力

    • 善行を増やし、悪行を減らすために努力すること。
  7. 正念(しょうねん): 正しい気づき

    • 自分の行動や感情、思考に常に気づき、現在の瞬間に意識を集中すること。
  8. 正定(しょうじょう): 正しい集中

    • 瞑想を通じて心を集中させ、深い精神的な安定を得ること。

まとめ

四聖諦は、仏教の教義と実践の中心に位置する教えであり、苦しみの存在とその原因、そしてその終わりとそのための道を示しています。この教えは、仏教徒が悟りに至るための道を理解し、実践するための基本的なガイドラインとなっています。